パクチー

私が単に好意をもっているから無意識に探しているのかもしれないが、都内を歩いていると、アジア系民族料理の店をかなりの頻度で見かけるようになってきた。

 

最近はルミネのおしゃれカフェ(噂話に忙しい女たちの魔窟)、パルコのマイメロディーカフェ(ぴんく色のかれーらいすを食わせることで視覚及び味覚の伝達を試す訓練場)など目に留まらず、タイ料理やベトナム料理の店へ直行する。

 

アジア系の料理は様々な香草をつかうが中でもすきなのがパクチーコリアンダー)だ。香菜(シャンツァイ)とも言われ、噛むと独特の清涼感のある香りを放つ。くったりと柔らかく細かな葉が連なっている植物だ。

私はタイ料理の店でカオマンガイ(鶏の脂で炒めた白米を鶏のスープで炊き、茹でたとり肉のぶつ切りが添えてある)を食べるとき、パクチーをもっさり載せて食べる。パクチーがとり肉のカワのとこの粘つくあぶらっこさを包み込み、後味に鶏肉のコクを残しながら清涼感とともにすうっとノドを滑り降りるているのを感じている三秒間、脳内でわたしはムッと暑い夜のタイの屋台にいることが出来るのだ。